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武蔵野独り暮らし、日々雑感。
前エントリの続き—— 思い起こせば我が社中それぞれの短い外勤めの休みを塗ってのA SHORT V・A・C・A・T・I・O・Nから、もう二週間になる。 時の経つのは早いな。 日記的なエントリはやはりホットなうちがハナなのであり、このシリーズもこれで完結しようと思うのだが、以下だけはきちんと記しておきたいと思う。 今回の西伊豆旅行が、ぼくの少年時代の夏休みの思い出をきっかけにしたものであることは、これまでに何度か紹介したとおり。 がしかし旅の本懐は兎にも角にも戸田に泊まり美味いものを鱈腹喰らうことだった。まあ、とりあえず西伊豆の雰囲気だけ思い出せればいいと。 で、まあそれは、ドライブの景観や静かな海水浴場や部屋や露天風呂からの眺め、そして海の幸においておおむね満足されたものだった。 ああ、やっぱりいいなあと。 が、さらにしかし。 人間ひとつ突破口があるとさらなる欲が沸き起こるもので、こうなるとさらに車で30分強という、ぼくがまさに少年時代の夏休みを過ごした「土肥《とい》」を一目見たいというハナシになった。 そこで社中の同行者に無理をいい、二日目の昼から、西伊豆の海岸線をさらに南下することになったのである。 逆にいえば、それこそがまさに、ぼくにとっての『岬めぐり』の本当の情景だった。 で、ハナシは少し——毎度お馴染の感じで(笑)——くどくなる。 実はぼくは、ちょっとしたスキンダイバーだ。いわゆる「素潜り」の達人。 これを本格的に我がものとしたのは後年の伊豆大島なのだが、そのきっかけとなったのが、土肥の中心地から少し離れた「小土肥《おどい》」という地だ。 少年時代の土肥逗留一週間〜十日ほどのほとんどの日日の海遊びは、絵に描いたような、海の家などがある遠浅砂浜の土肥の海水浴場が舞台だったのだが、なぜか毎年一二日は、その小土肥に足を運んだ。 そこはいわゆる海水浴場でも何でもない「磯」であり、同行していた0歳児もぱしゃぱしゃできるような波穏やかな入り江があったにせよ、場所によってはほんの5mも沖に出ると、水深10mを超える——しかし海水浴場ではけっして見られないような透明な海がある場所だった。 ここでぼくは小学校四年生の時に、ゴーグル(水中眼鏡)とシュノーケルとそしてフィン(足ひれ)をつけ、「潜る」ということを覚えたのだった。 そしてまさに今年、ぼくはその、ぼくのスキンダイビングの原点、「少年の海洋冒険浪漫」の処女舞台に、再び立つことが出来た。 37年ぶりにもなる遠い記憶をアドリブ的にたどるもの。名も知られぬ小さな磯など、iPhoneのGPSでも表示されるわけもない。 しかし、ぼくはめぐり立った。 当時は無かった「旅人岬」という景勝のためのパーキングエリア。そのすぐ横に、見知った風景があった。 いまやもっともらしい碑などもある小土肥の磯 当時は何も無かった記憶があるが、まあそれはそれでいいと思う mixiやらTwitterやらの魅力のひとつに、脳みその中に手を突っ込まれてぐりぐりされ、「こういうのがあっただろ!」と、懐かしのテレビまんがや歌謡曲などの忘れていたものを突きつけられるいうのがあったりするわけだが、此度《こたび》まさにそれ以上のものがあった。 人の侵入を拒絶するような急階段の下に広がる紺碧の海 当時は手すりさえ無かったが、その厳しさの先に麗しいものがあるということもまた、同時に学んだに思う おとなもこどももみんなしてうんしょうんしょと荷物を運んだ急階段、就学前のチビ公たちがぱしゃぱしゃやっていた入り江、河童だったぼくとは裏腹に水が大嫌いなNさんチの一歳年下のススムが浮輪を腰に日がな一日飽きることなくウツボの頭をたも網のの先でツツいていたタイドプール、そしてぼくが単身、自分の勇気を試すために泳ぎ、そして海というものが持つ激烈な美しさを知った岩と岩との間の短くも深い海…… 写真右の岩から中心の岩までの間に、水深10mを超える深みがあった 小学四年生にとっては無限とも思える“場所”だったが、 これを制覇してこそ『宝島』のジム少年のような「海の男」になれると思ってがんばりました(笑) ドライブだけではけっして知り得ないその凄さを、ぼくは知っているという思い出への感謝。ありがたいなあと。 ぼくの二人の娘たちは、いまや親父をはるかに超えてPADIの免許持ちだ でも潜ることの素晴らしさを娘らに伝えたぼくがいて、その原点がここだと思うと本当に感慨深い この4回の連載をしても紹介しきれぬ、語り尽くせぬものがたくさんあった今回の西伊豆行だったが、この小土肥だけ取り上げても、行って良かったと心から思うものだった。 来年もぜひ、今度はゴーグルとシュノーケルとフィンを携えて訪いたいものだ。 皆さんもぜひ、西伊豆に一度!! 誇るべき海ですよ(^^) PR
前エントリの続き——
「高度情報化社会」というのは恐ろしいもので、例えばGoogle、例えばWikipediaなどといった“簡略な方法”で、色んなものをあぶり出しにする。 このことは時に瑣末なことへの否定的言及といった“いやぁな”ベクトルに働くこともあってmixiやらTwitterなりでのその迂闊な展開にがっかりすることも少なくないのだが、しかしまた同時に“細かきこと”がネットやTVなどで“発見”され、そしてそれが佳き方向に進むことのほうがむしろ多いんじゃないかなと、ぼくなんかは考えている。 「未来は、いつでも過去より美しい」——ロバート・A・ハインライン『夏への扉』より さて、今回の我が社中の夏の旅行が「西伊豆」だったのは、その“きっかけ”としてはぼくの少年時代の思い出だったのだけれども、決定打となったのはネットなりTVなりの情報だった。 「テメエの記憶をたどる旅」で単身云々するのであれば“俺の勝手”だろうが、なにせ社中の旅行である。であれば或る程度にせよ現代的価値において広く誰しもが満足のいける旅行であるということが大事だ。そうしたときにネットなりTVなりといったところから得られる情報は、大いに参考になる。もちろん広い意味での視点による取捨選択が必要になろうが。 さて、今回の西伊豆行では先述のように「戸田《へだ》」に泊まることにしたのだけれども、ぼくも正直、戸田という所については少年時代ただ(降りずに)寄港したぐらいの記憶しか無いのは既述のとおり。 であるにも関わらず戸田を宿泊地、並びに「西伊豆行で最も多くの時間を過ごすべき地」として選んだのは、その戸田が、 「とてもがんばってる」 ということがネットなりTVなりで伝わってくるという、この二三年のぼくの記憶にあったからだ。 ともかく、日々をハナクソをほじりながらぼぉ〜と生きているぼくにさえ聞こえてくる戸田のがんばり。 ここは重要なポイントであった。 少年時代の思い出のまにまに、 「西伊豆に行きたいなー」 と、なんとなく思ったときにかつてぼくが逗留した土肥ではなく戸田を選んだこと。 このことは今回の旅行やこのブログエントリにおいて、とても大きいことだ。 正直いうと、ぼくはこの数年の間に、それこそ35年ぶりぐらいに「戸田」という地名を聞いた。 最初の一歩としての民放の紀行番組、引き続いてのNHKの昼のヒマネタ番組等々で、戸田が取り上げられてて、のちに紹介する「年配のご婦人がたが作る、駿河湾で汲んだ海水から醸造した自然塩」というのがまず、その地名とともにぼくの心に引っかかった。 この、たかが一瞬のメディアでの紹介が——かつて彼の地を眺めたことがある——ぼくの中で“引っかかり”、今回の「西伊豆行」が立ち上がったときに、ぼくをして[戸田]を“ぐぐらせる”に至ったというわけだ。 地域としての取り組みが真面目で現代的適応力を持てば、どんなに小さく地味な地域(や、店など)でも、人の心を動かせるものだ。このネットを含む高度情報化社会は、「チャンス」もまた与えてくれるものだということを広く知って、考えて欲しい。しっかりとした哲学をバックボーンとした、工夫のハナシ。 さてあらためて西伊豆の記憶のまにまにそこから立ち上がった戸田をネットで調べてみたら、 「タカアシガニの名産地」 ということが判明したわけですよ。 さらに「じゃらん」で調べると、タカアシガニとか伊勢エビとかアワビとかを廉価でいただける宿があるとの由。 いやあ、たまんねえなこりゃ(笑) ま、そんなわけで毎度のごとく前段が長くなったが、 ・思い出に正直に ・ネットでの情報収集も怠らず ・カン(フォースともいう)を大事に ・まあともかく楽しく ——といった辺りを遵守しときゃあ、“めぐりあえるモン”ってなああるわけですよ。旅行のみならず色んなトコで。 ってなワケで以下にお世話になった宿での、夕餉の数々。 前菜 スープ 舟盛り タカアシガニ このデカさ!! 伊勢エビ キンメダイの煮付け アワビの刺身 ガーリック・ステーキ カニの炊き込みごはん デザート この分量……まあ、死ぬわなふつう(^_^;;; その場で完食など出来る筈もなく一部を部屋にお持ち帰りとなったのだが、後にともかく完食しましたよ我が社中は! ぃ偉い!! つうか今回のタカアシガニも女将さんから開口一番「お客様、運がいいです」といわれたほどに、実は一杯18,000円ぐらいの品だったとの由(水揚げで変動するが、そも固定料金だったので支払い変わらず)。これ含めうっかりしたホテルなどに泊まったら5万円コースだろうに、宿泊料含めその四分の一以下で済んじゃうトコが我が社中のフォースの強いところだよなまったく(笑) てなわけで「I」で紹介した沼津港での昼餉含め、 「もうしばらくは駿河湾の名産なんて見たくない(´・ω・`)」 というほどに鱈腹喰らいまくった初日がこうして過ぎていったわけです。 ぶへーっ、食った食った! で、さらに感動を呼ぶ二日目については近日エントリ予定。 お楽しみにね♪
前々エントリの続きーー
そんなわけで沼津港をあとに、いよいよ宿泊地である戸田《へだ》へと向かう。 先のエントリで触れた少年期の夏休みでは、沼津〜土肥はフェリーにて駿河湾を一気に移動するのがほとんどだったのだが、たぶん一二回ほどはバスを利用した。 海上ではなく、伊豆半島の海沿いを走る、経巡る旅。 これがまさにぼくの中でフォークソング『岬めぐり』と直結している印象《イメージ》で、長く西伊豆にご無沙汰している間でも、盛夏を迎え海を想うたび、瞼の裏に空の青、白い雲、海の煌めき、そして豊かな緑がいつでも映っていたものだ。さらに都度、身体を包むように甦る陽射しと潮風の記憶もまた。夏休みに特有の一抹のさびしさも含む、ぼくの原風景のひとつ。 さて、沼津港を出た車は、ほどなくして街中から海岸線へ。 長じてから慣れ親しんだ湘南や外房とも異なる、まさに「西伊豆」としかいえない見事な、37年ぶりの風景に感動する。 ところでご存知のかたも多いと思うが、伊豆半島の西から南端、修禅寺から石廊崎の辺りに至るまでには、鉄道が無い。かつてはあったが廃線となったという地域は日本中に珍しくないだろうが、西伊豆にはもともと無い(と思う)。いってみれば、非常に、不便な地域だ。 そんなこともあってか西伊豆は昔から文士などの避暑地としても親しまれた地域であるにも関わらず、リゾートっぽい喧騒とは無縁だ。が、だからといっていわゆる過疎地的な寂しさばかりかというとけっしてそんなことはなく、少なくともぼくの中では明るい空と美しい海との記憶もあって、非常にバランスの良い、一種の理想郷として心の奥にある。行ったことはないが、かの『紅の豚』の舞台でもあるアドリア海と、きっと似た感じだろうなと確信している。シチリアとかもまた。 沼津港からほどない、沼津マリーナの近く。ほとんど漁村だが、荒涼とした感じはない また西伊豆の海岸の特徴のひとつとして、眼前が最大水深2,500mにも及ぶ雄大な駿河湾だというのに入り組んだ小さな湾が多いため、波が穏やかでかつ海が澄んでいるということもある。とてもとても、海の在りようとして麗しい。今回あらためて訪ってみて、ここを海の原体験にできたぼくは、本当にしあわせだったと思う。 内浦湾に浮かぶ「淡島」。西伊豆の景勝地のひとつ またぼくはどこでドライブしても(あるいは「まち歩き」でも)ちょっと面白そうな脇道があるととりあえず入ってみるという悪癖があるのだが(笑)、今回もまたそれにしたがって海岸線から少し山へと入ってみたところ、いかにも素晴しい里山の風景に出会えた。 内浦湾をぐるり巡り、淡島の反対側辺りを少し山へ入った辺り。こうした里山の風景は大好きだ 奥に見える段々畑は静岡名産のみかん畑 「みかんの丘」から望む駿河湾 雲が無ければさらに向こうに霊峰富士を仰ぐことができる 先を急ごう。 内浦湾を越えた辺りから、それまで海岸沿いの低地を走っていた道は緩やかな上り坂となり、ついに断崖から海を望む風景と至る。 そしてこの辺りから数kmごとに「○○の丘」等と称するちょっとした展望所が現れるようになり、各“岬”の眺望を楽しむことができる。ぼくの少年時代はこうしたものは無くもっと野趣豊かな風景が広がっていたと記憶しているが、今はいまで、まあロマンチックでたいへんによろしい(笑) スキューバダイビングのメッカでもある大瀬崎海水浴場 本州とは思えない美しく澄んだ海だ 思わず息を呑む、雄大で美しい「煌めきの丘」からの景観 雲で隠れていなければここからも向こうに霊峰富士を望める ここまで記してあらためて思い起こすと、ぼくが少年期の土肥旅行でフェリーではなくバスで移動したのは、帰路——すなわちさんざん土肥現地で海水浴や虫取りや美味しい魚介類や花火大会や盆踊りや女湯(笑)などのハレ(祭、儀礼)を楽しんだあとの、ケ(日常)に帰るときだったような気がする。そんな折に少年がここまで紹介してきたような風景をバスの車窓から眺め、数年後、思春期を迎える頃に“喪失”を謳う『岬めぐり』を耳にしたならば、そりゃあ激烈な印象がインプリンティング(刷り込み)されて当然だ。ああ、あの頃に戻りたいな(笑) ——とまあそんなわけで、おセンチのメートルが上がる中で宿に到着。小一時間ほど部屋で休み、引き続き戸田の海水浴場で少しぱちゃぱちゃして、戻って露天風呂に入り、そうして部屋に戻ったわけだが、ここからの眺望がまた素晴しかったわけですよ! 西伊豆の楽しみのひとつに本州太平洋側では珍しく海に沈む夕日を観られるというのがあるのだけれども、まあホント、これだけでも西伊豆に宿泊する価値はあると思いますねアタシゃ。 宿の窓からの、刻一刻と変化する海への落陽に息を呑む と、ここでお腹が「グー」。部屋の内線も鳴って「お食事です」コール。 駿河湾の海の幸をこれでもかと喰らったハナシについてはまた次回にて。 空腹で読むと死ぬこと必至の(笑)、次回エントリをお楽しみにね♪ |
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