武蔵野独り暮らし、日々雑感。
[1] [2] × [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 リヒャルト・ワーグナーの楽劇を、初めて劇場で観た。 劇場とはいっても映画館。この11月から松竹系の映画館で上映がはじまった「METライブビューイング2010−2011」の皮切りの作品、 『ニーベルングの指環〈序夜〉《ラインの黄金》』 だ。 上演が4日に及び全15時間を超えるこの長大な作品のトネリコ……んじゃなくて、虜になったのは19のとき。 LP、CD、レーザーディスク、DVD、ハイビジョン放送と繰り返し触れてきたが、ついに——数年前のモーリス・ベジャール演出の20世紀バレエ団のバレエ翻案上演を除いては——劇場で観ることなく、幾年月が流れてしまった。当時は、「数年後には“聖地”バイロイトで観る」という予定だったんだが(笑) それはともかく、録画とはいえMET=メトロポリタン歌劇場の上演したての公演に立ち合えるとは、なんともはや、いい時代になったものだ。上演作品をHD(High-Definition)にて世界中の映画館で上映するというMETのこの取り組みは、遠く極東の一個人からも快哉を叫びたい。 上映はMETの総裁ピーター“クラシック界の変革者”ゲルブ氏の挨拶からはじまり、リハーサル風景や本“新演出”の意図、上演直前の出演者へのインタビュー等のドキュメンタリを最初に流す。 これがまたなんとも素晴らしくて、後述する「ラインの乙女たち」が比類ないワイヤー・アクションにびびってるところ(笑)などが可笑しく、またそのぶん作品への期待を大いに高めてくれるものだった。こうした構成もまた、いかにも大エンターテインメントの国であるアメリカ合衆国ならではのものだと、心からうれしくなる。 指揮はジェイムズ・レヴァイン。 DVD化もされた同METの以前の演出版(これがまた素晴らしい!)でショルティ亡きあとの「派手できらびやかなワーグナー(スター・ウォーズっぽい)」を聴かせてくれた人だけに、演奏にも期待が高まろうというものだ。 そして開演……いやあ、びっくりしたのなんの!! だいたい『ニーベルングの指環』という作品は、ぼくにしてみればなぜ21世紀の今日にいたるまでVFXやCGあるいは特撮を駆使した映像版がなぜ作られないのかと疑問符ありまくりの作品なわけだ。 そのぐらいに「指輪物語/ロード・オブ・ザ・リング」や「スター・ウォーズ」そして「ファイナル・ファンタジー」などに与えた影響は絶大で、これらに見られるような映像があってこその“指環”だろうなと、「特撮以降」のぼくなんかはハナから思ってた次第だ。だからこれまでビジュアルとして触れてきた“指環”は映像としては——歌手の体形含め——う〜むというのが少なくなかったわけだ。どうしても「舞台芸術」の限界ってのはあるんだろうなあ……と。 (つーかですね、まだ「映画」さえ発明されてなかった頃のこのワーグナーのイマジネーションってやつに舌を巻くんですけどね) ところがどっこい、ぎっちょんちょん! 今回のMET公演の演出は、マジ凄かった!! 舞台を構成するのは、「縦方向に幾重にも分割された一枚板」だけなんですよ。 これがそれぞれの「場」において形と照明とによって千変万化する。その時々に応じた背景というか、その場に応じた舞台に変化する。それがまた、まったくもって違和感が無い。「縦方向に幾重にも分割された一枚板」が、時に応じてラインの川底になり、ニーベルハイム(地下世界)への道となり、また虹の架け橋ともなるという大演出! そもそも『ラインの黄金』には「幕」とか「暗転」ってのが無いんですね。 それが場をつなぐ音楽に聴きほれているうちに舞台の“見た目”がきっちり変わってるなんざぁ、もうホントまったく、惚れ惚れした次第。 個人的にはワーグナーはやっぱり「総合芸術の祖」だと思うし、『ニーベルングの指環』をはじめ19世紀人であるワーグナーが目指したものは、現代のVFXやアニメーション等が実現するものだと思う。 この考えには、ぼく個人は、いまだ揺るぎない。 がしかし今回のMETの“新演出”を観て、あらためて「舞台」においてもまだまだワーグナーは生きていると、心から思った。 「縦方向に幾重にも分割された一枚板」が千変万化するさまは、舞台裏での“人力”があったのもまた不思議だったのだが、ライティングなどはおおよそコンピュータ(ほとんどがMac!!)で制御されていた。 それもまた、時代だろう。 しかしまた歌手、オーケストラ等の「ライブ」すなわち「目の前で展開される生々しい上演」というものもまた、永遠不滅のものだろうと、あらためて考えた。 (つうかですね、ワイヤー・アクションで吊り下げられたラインの乙女たちの「最初の一声」が発せられた瞬間に、感極まって涙のひとつふたつ流れましたよ!) METならではの、素晴らしいテーゼだと思う。 とまれ『ラインの黄金』のライブビューイングは本日が最終日。しょせんシネコンなんだから、もっと長く上映すればいいのに……って、その他がいっぱい待ってんのか。『イル・トロヴァトーレ』は観たいなあ。 まあともかくも来年6月には同スタッフ/キャストによる「ニーベルングの指環」の第一夜『ワルキューレ』が控えてますよ! “指環”四部作の中でも最高な作品なんで、ご用とお急ぎでないかたはぜひぜひに!! #超有名曲『ワルキューレの騎行』を貼っとくねん♪ えさぺっかさろねん。 PR 国内最強の不労所得夫婦(笑)の奥様のほうであるところの、竹内まりや様の6年ぶりのオリジナル・アルバム『Denim』を買ってきたわけである♪ で、さっそくiTunesに読み込みながら聴いているのだが、1曲目にぶっ飛んだ。TV無し生活なので知らなかったが、『ブロードキャスター』のテーマソングとして、あの『君住む街角(On The Street Where You Live)』を唄ってらしたのね。ブロードウェイ・テイストのゴージャスなアレンジで、いやぁん☆素敵。ふにゃふにゃふにゃ…… ところで『君住む街角』といえばミュージカル『マイ・フェア・レディ』中の名曲。『マイ・フェア・レディ』のイライザ役といえばブロードウェイでのジュリー・アンドリュース様の当たり役だったわけだけれども、1964年の映画化の際にはジュリーはハリウッドでは無名だったので、オードリー・ヘップバーン(様)が演じることになったわけだ。で、しかしジュリーが『メリー・ポピンズ』によってオードリーをおさえて1964年のオスカー主演女優賞を獲得したというのはけっこう有名なエピソードだったりするわけだけど、そりゃ「まったくだ!」な話で、この映画版『マイ・フェア・レディ』ではオードリー自身は唄ってはおらず、すべて吹き替え。マーニ・ニクソンというかたが唄っている。 さて『マイ・フェア・レディ』では家庭教師をされる側だったジュリーは、『メリー・ポピンズ』では家庭教師をする側になる。で、翌1965年の『サウンド・オブ・ミュージック』でもやっぱり家庭教師を演じることになるわけだど、その「マリア」とい名前は、同じロバート・ワイズ監督のもう一つの超有名ミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』でナタリー・ウッドが演じるヒロインの名前でもある。で、これも唄の部分はナタリー・ウッドに代わってマーニ・ニクソンさんが吹き替えている。 そして『ウエスト・サイド物語』には『マリア』という超有名曲があるわけだけども、『サウンド・オブ・ミュージック』にも修道女たちが唄う『マリア』という別の曲がある。ここで修道女ソフィア役で顔出しで美声を披露しているのが、マーニ・ニクソンさん。可愛いです♪ さらに『サウンド・オブ・ミュージック』の作曲/作詞コンビであるリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世にはその他にも『南太平洋』とかたくさんの名作ミュージカルがあるわけだけれども、そのうちの一つ『王様と私』で家庭教師「アンナ」の唄の部分をデボラ・カーに代わって吹き替えているのが、やっぱりマーニ・ニクソンさん。『シャル・ウィ・ダンス』とかね。 ということでまりや=マリアから広がるミュージカルのいろいろばなし。これぞ、『シンクロニシティ(素敵な偶然)』←『Denim』収録曲(笑) |
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