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武蔵野独り暮らし、日々雑感。
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 1970年代後期。
 ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグ等々から始まった“新時代(当時比)”のSF映画ブームがあって、それに乗っかって日本でも『宇宙からのメッセージ』とか『宇宙大怪獣ガメラ』といった作品が作られた。
 それはそれで現代から振り返ると面白いっちゃあ面白いんだが、もういかにもパチもんで、いやー困ったもんだなーと、当時いっぱしの映画マニアだった俺は頭を抱えたもんだ。

 で、いよいよ1970年代も終わらんとしている頃に『未来少年コナン(1978)』とか『機動戦士ガンダム(1979)』といった現代にも続く「世界に通用する日本的SF/アニメの言葉」を得た作品があったわけだが、実はこれらの作品はことマスにおいては1980年代に入ってから高い評価を得るに到ったわけだ。

 細かいことを言いだすとキリが無いのだけれども、NHKドラマの「少年SFシリーズ」とか、萩尾望都とか諸星大二郎とか星野之宣とか大友克洋とか、いわゆる“本格SF”の土壌は1970年代前半——あるいはもっと前——から小説作品のみならず色んな場所で表出されていたにも関わらず、なかなかそれが省みられなかった。
 当時の価値観から言えば、大映画会社で実写映画化されない……かな。

 1970年代半ばにはかの『宇宙戦艦ヤマト』の大ブームもあって編集編が劇場公開され翌年にはオリジナル劇場アニメも作られたのだけど、こと実写のSF作品と言えば先述の作品たちのような、なんかもう“とほほ”なものたちばかりだった。アニメがどんどんクオリティを上げているにも関わらず。
 もちろん当時のハリウッドに匹敵する予算を“実写SF”において捻出できなかったというのもあるだろう。がしかしやはりそこは“受け手”はしっかり観ているもので、「ハリウッドのパチもんSF特撮よりも日本製SFとかアニメ」に指向するのはむべなるかな。

「グローバルに通用するSFかどうかはとりあえずわかんないけど、俺らこれが好きだしぃ」が、あったかな。
 このことが、現代にまで連綿とこの国のサブカルチャに良い意味でも悪い意味でも影響していると思う。

 さて——

 CS「チャンネルNECO」で今宵放送された『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』なる作品をたまさか観た。

 駄目過ぎる。

 もうね、駄目な点はいくらでも出せるがやっぱ最も駄目なのは、
「ハリウッドとかウケてるモノの安っぽいパチもんでしかない」
 ってことだ。
「スター・ウォーズ」「スパイダーマン(2000年代シリーズ)」「ロード・オブ・ザ・リング」の各シリーズ。あるいは『ONE PIECE』のパチもんである「ジャック・スパロー」シリーズとか。

 いやまあそんな目くじら立てず潮吹かずかもしんないんすけど、「ウルトラ」は違うんだよ!!

 なんで「アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)」が到達しえなかった「光の巨人」とか「でかいもんが暴れまくる」いう概念をずっと通奏的に抱えていて大事にしていた俺ら地震と火山と津波の民の心もちが、安っぽい善/悪あるいは光/闇に堕さなきゃいかんのかと。
「フォース」は大好きなんだが、曲解は嫌いだ。

 昨今のウルトラシリーズに限らず21世紀の仮面ライダーシリーズとか、いちいち落とし所が、
「宇宙の大いなる力」
 とかいうのが気にくわない。そもそもウルトラマンとか仮面ライダーとかのきっかけとは別なんだよな。矢追純一かよ(笑)

「人、生きる。」をばかにするな。

『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の前にこれもまたたまさか放送されてたアニメ『ガンバとカワウソの冒険』を観たのだけど、アニメとしては駄目ながら燃えたよ。
(そもそも小説『冒険者たち ガンパと15匹の仲間』は読めと)

 うん、まあいいや。

 俺、一昨昨日から腸閉塞で死んでるんで、“会話を期待するリプライ(笑)”は止めてな。しんどいんで。

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 NHK『歴史秘話ヒストリア』は、毎週録画に設定していて、なるべく観るようにしている。

 で、さっき今週ぶんの放送が終わったわけだが、来週の予告を観てすっとんだ。

 曰く、
「“カワイイ”に恋して~中原淳一と「カーネーション」の時代~」

 待ってました!!\(ToT)/

 もうね、連続テレビ小説前作の『おひさま(´・ω・`)』から、どれだけ同枠ドラマとシンクロして中原淳一先生が語られることを待ち望んでいたことかということだ。やっとか、と……

『カーネーション』の先週と今週はちょうどコシノヒロコとコシノジュンコ(そしてこの先はたぶんコシノミチコ)も含む成長譚が描かれているわけだが、ここでいわゆる「コシノ三姉妹」に大きな影響を与える存在として登場している「原口先生」が、つまり、中原淳一先生というわけ。
(以下、敬称略)

 俺は自慢じゃないがこの10年間、竹久夢二から始まるいわゆる「抒情画」等々とそしてまた後年の少女マンガに連なる系譜と歴史に関してはかなり研究してきた。
 だから、夢二、淳一、そして高畠華宵、蕗谷虹児、加藤まさを、松本かつぢ等々の、就中、雑誌『少女の友』で活躍した彼らの挿画が、いかに明治後期から敗戦後までの歴史の中で、どれだけ老若を問わずご婦人の精神《こころ》に影響を与えてきたか——羽ばたかせてきたか——を知っている。
 すなわち、「女性解放史」の礎であるということ。

 ことに中原淳一は昭和初期からの流行作家であったわけだけれども、また敗戦後は雑誌『ひまわり』『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』等々の活動も含めて、ご婦人の自由と尊厳を高らかに宣言し活動したということにおいて、俺は心から尊敬しているのだ。

「美しいとは、こういうことだ」

 淳一の、ことに戦後の活動については、こうして綴っている間にも思い出すたびに涙が出てくる。

 世の中や、個々人の“生きる”は、たしかに綺麗きれいばかりではない。それは俺も知っている。
 しかしそれでも「美しさ」を希求し、少なくともご婦人がたに「凛として」「かくあれかし」を提示した淳一の活動は、俺は素晴しいことだろうと思ってるんだ。ココ・シャネルがご婦人がたからコルセットからの解放を提示したことに匹敵する、あるいはそれ以上のものが中原淳一にはあると思っている。

 蛇足ながら連ドラ前作『おひさま』において俺が最も頭にきたのは、戦前の陽子の部屋に中原淳一の挿画が飾られていて期待させたにも関わらず、戦後編でひとっつもそれが言及されることなく、キャッキャウフフに堕ちたことだ。視聴者を舐めてはいかんね。凄い伏線だと思っていたことの肩透かし(´・ω・`)

 そういう意味でも『カーネーション』においては浮気だ不倫だのぐだぐだがありつつも、やっぱおさえてるトコはおさえてるなという——流石の渡辺あや脚本——ってのはあるよな。
 つか、『おひさま』時点から中原淳一を語ってる俺も流石。
https://twitter.com/#!/kawasemi/status/56746757203308544
https://twitter.com/#!/kawasemi/status/83899661479452672
https://twitter.com/#!/kawasemi/status/85028658015780865
https://twitter.com/#!/kawasemi/status/129878070604734464

 つまるところ「美」と「芸術」と「感性」だよ。
 難しい時代だからこそ、美/芸術が試されてると思う。ここで凛と、背筋を伸ばし、出来ることをする。精神的《こころもち》ブレずに。
 関東大震災のあと、あの軟弱画家(笑)の竹久夢二が焦土を歩き回ってスケッチを“しまくった”ように。

 おためごかしの「アート(笑)」じゃねえ。いまこそ本当に美しいものへの勝負がいわゆるクリエイタを自負する連中にあるべきだろう(もちろん、俺もをや)


 とまれ、来週の『歴史秘話ヒストリア』に、大いに期待なのだ。

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 日付変わってすでに一昨日のことだが、『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』を観た。

 色々あるが、兎も角も、
「俺は全力でオマエを叩き潰す」
 という台詞とその際の茶川のポーズ目つきに、死ぬかと思った。

 ありゃあSTAR WARSか梶原一騎作品だ。燃える。燃えるんだよ!!

 その他のシーン含め“正編”以上に泣いて死ぬかと思ったわけだが、それは監督とか脚本とかの巧さも含めて作り手の思いをこっちが感じ取って成り立つものだなあと。シリーズ三作目ともなると受け手も「どーせあーなるだろー」と予測してる辺りの見事な裏切り。
 いま放送されてる連続テレビ小説『カーネーション』もそう。蛇足ながら「予想を超える」がいいんだよな。

 かの『E.T.』なんかもそうなんだけど、
「どーせクライマックスで飛ぶだろー」
 と、こっちが考えてるわけなんだが、凡百の作品が描く「ここで飛ぶだろう」と観客が予想してる場面じゃなくて「うわっ!!」という「予想とそれを超える」があるから、人は感動するんだよな。裏切りと超絶の美学。
 
 本「'64」においてもかの万年筆を手に茶川が走るというリフレインがあるわけだが、それから先に見事に裏切りの美学があり、かつ、
「激烈なまでの父と子の対立と愛情」
 というSWとか一騎作品に類するモンを描いていたのが、我ら同世代たる山崎“ルーカス/スピルバーグのこども”貴監督の面目躍如だと思うね俺は。

 そも「正編」の際にはあまりやる気がなく阿部プロデューサの“思い”を仕方なく監督して気づけば本人含め大名作になってしまったところの(笑)、実写映画としての「三作目の夕日」シリーズを、山崎貴監督は、見事「自身の作品」にしたと思うよ「'64」。
 原作マンガでは『サザエさん』的にいつまでも変わらぬ登場人物の年齢等々を逆手に取った辺りも含めてね。

「ヒトが生きていればいやでも育つし、齢を重ねる。ふいと過去を懐かしがるもする。だが、どんな年代だろうが立場だろうがいつも夕日はそこにあり、いつでも美しい。明日を凛として、信じよう。」©俺

 この作品が、かの「3.11」より前にほとんどクランクアップしてたという“かん(©ルフィ)”も特筆すべきだろう。
 とまれ、素晴しい作品だ。

 てめえら、観ろ!!

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 おい諸君! きょうのGoogle特別ロゴがすごいぞ!!





 ちなみに現在、横浜の神奈川近代文学館で『大乱歩展』開催なうだ。

 これは行かねばなるまいよ明智くん、わはははははは!!!!!!

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 マイミクにしてマイツイ(Twitter仲間)の某パダワンが、ここに来てTBSで再放送されているという『宮廷女官チャングムの誓い(大長今)』を初めて観て、ハマりにハマっているらしい。

 録画した同番組を観ながらいちいちTwitterでつぶやいていて、
「ああ〜、やっぱり!!」
 と、うれしくなることしきりだ。俺も初見の時(2007/01〜)にもしTwitterを積極的に使っていたら、さぞやつぶやきが五月蝿かったことだろう(笑)

 それだけ魅力的な作品ということだ。パダワンがハマってくれて、心の底からうれしい。

 というわけでそうした心持ちと酒の勢いもあって、先刻Twitterで「チャングム論」みたいなモンを数々つぶやいたので、ここに転載バカボンする。これで、いいのだ。
(パカボンママ……んじゃなくて、原文ママ)


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「マイツイw」の一人が、ここに来て『宮廷女官チャングムの誓い(大長今)』にハマっている模様。さもありなん。もっともだ。
彼が全話観終わったら、ぜひともに「iPhone自慢大会チャングム篇」を開催したいものだ。
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古今東西、名作というのは多いが、「すべての人々がハマってしかるべき」というものはそうそうない。
しかしiPhoneと『宮廷女官チャングムの誓い(大長今)』は、それらに数えられるものだ。激烈な魅力を持っている。
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『チャングム』の魅力を語りだしたらキリがないが、最大のツボは「近代文芸作品におけるワクワクのツボ」の踏襲だと思う。いわゆる「王道」。
たとえば『モンテ・クリスト伯』に見られるゴージャスな復讐劇。
それがまず魅力の基本としてある。
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さらに『チャングム』の魅力としては『美味しんぼ』とか『庖丁人味平』とかに見られる「食べ物勝負」が大きい。これは人の琴線に訴えるものだ。
そして「食」を通じて物事の本質、ことに「母性」というものを語りかけているところがすごいところだ。
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さらにはまた主人公が「ものすごい実力を持っているのに、弱点もまた満載(笑)」という点も見事。視聴者の「じれ」を喚起する。
或る時期から日本で作られるドラマの数々は主人公の弱点ばかりにスポットを当て過ぎ、そこへの掘り下げばかりが大きくなってしまったと思う。
だから、つまんなくった。
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人はやはり根源的に「威風堂々たる物語」を見たいと潜在的に思っていると思う。『チャングム』はその堂々たる根幹部分と、弱点(つっこみどころ)満載の主人公とのバランスがとてもうまい。
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ぼくら個々を考えてみても理想的な自分というのは確かにあって、出来たらそれだけに邁進したいと思っている。
しかし日々の糊口をしのがなければならないとか、個々の性格的失敗(笑)とか、そんなものがあってなかなか思い描いたようにはならない。でも、それが「人が生きる」ということだろう。
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そうしてまた「凛とした目的」さえしっかりしていれば、そのために辛いことも多いけれども、実は見守っていてくれている他者はちゃえんといて、いざという時に、自身も思いもよらない形でたすけてくれる。
そんなことを『チャングム』は語ってくれる。
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時代だとか個々の弱さだとかにスポットを当て過ぎて、小児病患者のになってしまった日本のドラマやアニメなどとの何たる違いかと、『チャングム』を観ていてぼくは思った。
日本が忘れたこっ恥ずかしいまでの「ドラマの王道」。それがともかく『宮廷女官チャングムの誓い(大長今)』の魅力だろう。
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ま、大事なのはロマンっすよ。
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 というわけで、やっぱりチャングムはすごい。

 なんかまたもGyaOにて無料配信中らしいが、これって字幕がテキトー(オギョモがオネエ言葉でしゃべってたりとかw)だと思うので、まあそこはお客様の自己判断ってやつで(笑)

 いずれにせよ最低でもiPhoneとTwitterとチャングムの魅力を理解しない人々に対し、俺は言いたい言葉がある。

「あんた、バカぁ? 」(アスカ)

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