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武蔵野独り暮らし、日々雑感。
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 過日、夜中にCSで映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を放送していたのだが、うっかり観はじめたら止まらなくなってしまい、とどのつまり4時間近くの超大作を最後まで観てしまった。
 いやー、翌日の外勤めにさわったこと(笑)
 ところで同作は公開から数年後のTV放送で観ていてたのだが、さすがに四半世紀ほど前のハナシ。記憶も曖昧だったのだが、あらためてこりゃあいい映画だと思い、がぜん監督のセルジオ・レオーネに興味がわいた次第。

 で、色々と調べていたら同監督の『夕陽のガンマン』のアルティメット・エディションDVDに、
クリント・イーストウッド=山田“ルパン”康雄
リー・ヴァン・クリーフ=納谷“銭形”悟朗
ジャン・マリア・ヴォロンテ=小林“次元”清志

 の各先生のテレビ放送における吹替が収録されていることを知り、
「いままで知らなかった俺のバカ馬鹿ばか莫迦!!」
 と自らを罵倒しつつ、同作を含めて「ドル箱三部作」と呼ばれる『荒野の用心棒』と『続・夕陽のガンマン』と共にぽちった次第。

 というわけで昨日届いたので取り急ぎ『荒野の用心棒』と『夕陽のガンマン』を観終わったところなのだが、それこそ何度かテレビ放送で観た前者と違い、後者はまったくの初見。
 いやー、これまで未見だったことを、死ぬほど後悔なう!!
 もうね、俺、往年の洋画好き失格だと思いましたマジで。

 何つうかですね、文芸的主題とやらなんかはこれっぱかしも無いに等しい——ぎりぎり無くはない(笑)——んだけど、登場人物から展開から映像から音楽から、ひと言でいえば、
「無駄にかっちょいい」
 ドライでクールそしてたまーにウエット。伊太利人監督による亜米利加映画というか、ともかくも、多くの映画人がレオーネ監督シンパというのがよぉ〜くわかりました。

 で、それが上記先生がた全盛期の吹替ですよ。1973年。旧作ルパンの翌年だ。
 しかもメインの三人の次なるポジションの人物、ヴォロンテ演じるギャングの親玉の腹心が、何と、大塚“旧作ルパン五ヱ門”周夫先生。
 いやもう、死ぬかと思った。

 本作にはご婦人はほとんど登場しなくてしかも台詞もほとんど無い(笑)のだが、ここで謎の女が絡んでしかもその吹替が二階堂“旧作ルパン不二子”有希子さまだったら完璧であった。
『夕陽のガンマン』の唯一の欠点といえばそこだ(←そこなのか?)

 いやともかくしばらくの間はセルジオ・レオーネ熱が治まらない気配濃厚。
『夕陽のガンマン』と『続・夕陽のガンマン』はもうひとつ同監督の『夕陽のギャング』とセットになった「完声版」なるDVD-BOX(→詳細を紹介しているブログ)も出ているようで、そっちも欲しくなってしまって困ってる次第。

 まあそれにしても「粋でかっちょいい野郎どもの物語」を綴っている最中にこういう作品に出会うとは、これまで未見だったことは悔しいものの、やっぱ作品には「出会うタイミング」ってのがあるもんだなあとあらためて感慨もひとしお。頑張ろう。

 さてこのあと『続・夕陽のガンマン』を観ようかなー。どーしよっかなー(笑)

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 映画『シャーロック・ホームズ』が、滅法面白い。

 4月とは思えない寒さのきょう(つうかすでにきのう)、氷雨の中を2度目となる鑑賞に行ってきた。前回の字幕スーパー版で思い切りハマったので、ぜひ日本語吹替版でも観たいということで。

 この、洋画の日本語吹替版をわざわざ観に行くというのは、俺にしてみれば非常に珍しい。記憶が間違ってなければ初めてのことなのだが、なぜそういう衝動に駆られたかというと、この映画が“そういう種類”の作品だからだ。

 すでに多くのところで語られているが、ホームズの名を冠している映画ながら従来のホームズ像ではなく、むしろ『ルパン三世』に限りなく近い。しかも「旧作ルパン」。ことにホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)とワトソン(ジュード・ロウ)の関係たるや、大名作『脱獄のチャンスは一度』などに見られる初期のいわゆる「大隅ルパン」におけるルパンと次元そのものだ。
 俺がハマらないわけがない(笑)

 従来の「シャーロック・ホームズ」シリーズといえば、沈着冷静なホームズと、従属的でホームズの活躍ぶりに驚かされているばかりの傍観者としてのワトソンというのが、その描かれかたあるいはイメージだった(それがことに顕著なのは、宮崎駿が関わったアニメ『名探偵ホームズ』なのだが)。
 が、本作におけるワトソンは——原作『緋色の研究』でも描かれているところの——屈強な退役軍人である点が強調されており、格闘や武器の扱いについてはホームズに勝るとも劣らない人物として描かれている。そして頭脳明晰にして格闘技(バリツ!!)の達人ながら日常生活ではグダグダでダメダメなホームズに、(ほとんどホモセクシャルなまでに)頼られ甘ったれられる存在となっており、そんなホームズをして「しょうがねえなあ」とぼやきながらいざという時にはサポートせざるをえないワトソン。まさに、次元大介だ。

 また、「大いに参考にした」旨がプログラムにも記載されているのだが、ホームズとワトソンとの関係も含め、本作は映画『明日に向かって撃て!』を彷彿とさせる部分がとても多い。
 ホームズ、ワトソンそれぞれの表情(特に笑顔!)の見せかた、二人して拳銃を発砲する場面などの構図やタイミングなど、かの名作に夢中になった者としてはどうにも泣けるシーンがちりばめられている。
 ロバート・ダウニー・Jr.もジュード・ロウも本作の「続編」のために他の仕事を先延ばしあるいはキャンセルしたというが、さもありなん。まさにかつてポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが見せた……いや、魅せた“あの世界”なのだ。もう、めろめろである(笑)

 そしてそもそも俺はこうした「相棒《バディ》もの」が昔からどうにも好きなのだが、こうした作品は俺が育った時代の海外TVドラマに数多い。吹替ドラマの最高傑作『ダンディ2 華麗な冒険』とか、『0011ナポレオン・ソロ』とか。
 本作はそういう作品たちもまた、彷彿とさせる。

 つまりアニメとかTVの洋画劇場とか吹替海外ドラマとかで俺が夢中になった、俺を育んでくれた「相棒ものたち」に極めて近しいからこそ、映画『シャーロック・ホームズ』をどうしても吹替版で観たかった・聴きたかったというハナシ。

 とまれ字幕/吹替問わず、とても楽しめる作品であることは間違いないと太鼓判をおす。
 一部の“原理主義者”を除いてはシャーロキアンたちにも好評だと聞くし、未見のかたはぜひに!

 そして俺はといえば、あらためて続編が待ち遠しくて待ち遠しくて、発狂しそうなのである(笑)

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