武蔵野独り暮らし、日々雑感。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ここのところ、「総選挙」という言葉にはどうもいいイメージがない。 このエントリの本題ではないのでまあ詳細はハショるが、総選挙ばっかりやってる秋葉原系の豚と、逆に一向に肝心の総選挙を実施しない永田町系の豚とによるものだとだけいっておこう(笑) で、それはともかく以下の総選挙とその結果は、たいへんによろこばしい。 「歴代カップヌードル復活総選挙」(→) スペクトルマンや帰ってきたウルトラマンさらに仮面ライダー、国内初のマクドナルド、明治の小枝や不二家ハートチョコレート、そして我らが旧作ルパンなどと同じ1971年生まれの日清カップヌードルの40周年を記念して昨年行われた歴代のカップヌードルの人気投票だったわけだが、そこで堂々の1位に輝いたのが、 「カップヌードル 天そば」 だったというわけ。いやー、実に感慨深い。 カップヌードルとしては2つ目の製品で、札幌冬季五輪とかあさま山荘事件とか旧作ルパンと俺との出会いがあった記念すべき1972年に誕生。 後継たる、かの「日清どん兵衛」にその座を譲って1977年には生産中止となったために地味な印象はまぬがれず、俺は投票したのだが果たしてどこまで票を伸ばすかと危惧していたら予想を裏切る展開。Wikipediaなどによると、なんでも例によって伊集院光がこの幻(?)のカップヌードルを広く知らしめたらしく「食べてみたい」という興味からの票が集まったと見るべきだろうが、まあともかくもリアルタイムで喰らっていた者としては小躍りする結果だったのだった。 俺だけかもしれないがこの「カップヌードル 天そば」が売られていた1970年代半ばというのはまだそんなにカップ麺が日常茶飯事に入り込んではおらず、変なハナシだがどちらかといえば「ハレ」の食い物だったように思う。これはマクドナルドなどのファストフードも同じ。 なのでオリジナルのカップヌードルに輪をかけて喰らう機会の少なかった「天そば」ながら、これは旨いものだなと思った少年期の記憶がある。 だからどん兵衛が登場した際にこりゃまた旨いと思った反面、気づいてみたら「天そば」がひそかに消えていった事には、何かこう、得も言われぬ寂寥感みたいなものを当時から感じていた。 加えていえば、天そばに次いで1973年に発売された「カップヌードル カレー」が現在まで途切れることなくレギュラであり続けていることなども、その感情をいや増すものだ。 俺は「カレー」はそんなに喰らうほうではないのだが、たまに喰らうとその度に、同じ頃に登場し先輩格でありながらもしかしいまは無い「天そば」を思い、それこそエンリオ・モリコーネの音楽を耳にした時と同じような、胸を掻きむしられるような感情に襲われ続けてきたものだったのだったのだった。 そして35年(笑) 総選挙の結果を踏まえ、このたび目出度く記念復活した「天そば」が売られていたので、さっそく買ってきた。 そうそうこれこれ、このパッケージですよ!……っていま気づいたが「天そば=緑」ってのはマルちゃんで、日清の天そばは赤いのだが、当時は緑だったという逆説。 (つか、カップヌードルのオリジナルが赤だしなー) 「復活総選挙」のプリントがうざったいなー まあこれが無いと当時のものとの区別がつかないのだろうけど 上から見た写真だと「どん兵衛 きつね」と大差ない 熱湯を注ぎ、 「大五郎、三分間待つのだぞ」 というのは同時代、四角い仁鶴が丸く収めるようになる遙か昔……遠い銀河系の彼方1973〜74年頃の、こちらはボンカレーのCM。 できました。 正確には憶えてないが、再現性は高いと思う。いやー、当時の香りがぷんぷんするわ。 天ぷらというよりもフリッターみたいな「謎天(©俺)」と 過剰なまでのシイタケとシュンギクの青臭さが渾然一体となった得も言われぬ香り カップ麺倶楽部70's(笑) 味も当時のそれにかなり近いと思う。 そういえば俺、ガキの頃は極端に偏食でシイタケ大っ嫌いだった(いまは大好き)のだが、よくこれを喰らえたな。つか、このカップヌードルでシイタケを喰らえるようになったのかもしれない。 良くも悪くも当時の記憶にかなり近い味と香り 麺はイケませんねこりゃ(笑) というわけで懐かしい味を堪能。 旨いかと問われたら「いやー……はっはっはっ」と苦笑いするしかない感じだが(笑)、たしかにこういうのが1970年代全体を覆う味だったよなあという感じ。食の安全性だとか本物指向だの(そしていわゆるグルメ指向)が社会の表層で語られはじめたは1980年代に入ってからであって、高度成長期とバブルとの間の1970年代は、こういう味が充ち満ちていた。 レトルト食品やファストフード、そしてスナック菓子が登場し拡大していくのを自身の成長と平行してダイナミックに体験できたのは、その善し悪しはともかくとして、面白い時代に育ったなあとあらためて思う。 そして同じカップヌードルの中だけでも、残るものと消えていったものとを比較してその理由を考えてみるというのもまた、面白そうだなあと思った次第。 ところで「チキンヌードル」は復活しないんだろうか? PR |
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